市道グランツーリスモ
2004,9,2 (木) 快晴

全国1500万人の市道ファンの皆様コンバンワ。
今回ご紹介するのは、岡山県北西部に位置する新見市にある素晴らしい市道であります。

R182とr8を結ぶ(この表現は正しくないかも)6km程度の道である。
そして全く使われていないと思われる区間がある。
想像を絶する空間がドライバーに、車に襲いかかる。

現在は市道ではあるが、元々ここは『岡山県道378号 上市井村西方線』であった。
現役時代でもその名を険道として轟かしていたという。
ただ、いったいいつ頃、またいかなる理由で県道の指定を外されたかは定かではない。

そして現在、ここは完全に『忘れられた道』となっていた。
山は道として削られたその体の一部を取り戻そうと、ゆっくりと、しかし確実に呑み込み始めていた。

県道だと思って何も知らずに突っ込んだ男がそこで見たものは・・・

MAP


こちらはr8側の分岐地点

写真奥へ走ると鳥取県へ行く。手前はR182方面。

ゆっくりとr8と離れていく。

この薪が置かれているあたりまでが、こちら側の『使われている』区間か。わずか300m程度。
この先、人が踏み入った形跡がまるで感じられないのだ!

わだち草が現れると景色が一変する

この日の数日前に台風16号が中国地方を襲った。
その影響なのか、それ以前からこの状態なのかは分からない

路面が賑やかになってきた

まだ1kmも走っていない

流れ出した土砂の上に、すでに草が根を張っていた。
次に来る時は(いや、もう行かないけど)どうなっていることやら・・・

以後、路面は半分近くまで土砂に覆われている
往路で通行に支障をきたすデカイ石はあらかた取り除いてある

うおおおォー!視界不良でありますッ!

こういう時って、なにか叫んだり奇声をあげたりして気分を高揚させないとツラいよね。

道幅は1.3車線はあると思われるのだが、0.3車線分は枝と土砂に覆われている

こんなぶっとい枝が車体を擦る。

接触音は『カサカサ』ではなく『ゴッ』

もう何がなんだか分からない一枚

人の手が入らない道路はここまで自然に還ってしまう

草木を押し分けゆっくり進む愛車。
気分はまるで砕氷船

ものすごい山奥かと思いきや、下からは工事現場や踏切の音などが聞こえてくる

身近な廃道というところだろうか?

ほうきが一本置いてあった。

これは推測ではあるが、このほうきは最低でも3年半前から動いていないのではないかと思う。
時間があればグーグルで『険道 岡山』で検索してみてほしい。
貴重なレポートを見ることができる。

道路消失危機一髪!・・・ってもうアウトに近い

かつて待避所があったと思われる場所

このあたりもデカイ石がゴロゴロしており、撤去作業に汗を流した

ここも植物に覆われ始めていた

道が消えてしまうまさにギリギリのタイミングでの走行だったようだ

天然のゲート

先っちょを50cmほどヘシ折って通過

この後、高さ制限のあるゲートも現れる

路面がエライ事になっていた。アスファルトが見えない。

林業の人などが間伐をやっていた形跡も見当たらない。
軽トラのタイヤ跡すら発見できなかった。

上のほうの写真に比べれば、こんなのは余裕です。むしろ走りやすい!イヤッホゥ!!

多くのドライバーは深い絶望感を感じるであろうこの景色

ちょうどこの路線の中間地点あたり。
ここでこの演出とは、なかなかニクいではないか!

我がレポートに後退の二文字は無い。バックが下手だからな。前進あるのみだ

この木があともう少し下へずれていたら・・・

変な所で『運』を使っているような気がしてならない

握りこぶし一個分の強運

所々土砂が流れ出しているのではなく、廃道的区間はほぼすべてこんな状態

現役県道であったならば、間違いなく最凶にして最狂の称号を得ていたであろう

鬱蒼としているものの草木の猛攻が落ち着きを見せ始めると・・・

ようやく試練は終わりを告げる

実はr8分岐からここまでわずか3km程度なのだ。
しかしその3km全てがレポートのような状況になっている。

上・国道182号線 下・中国道下り線の新見トンネル

R182側から来た場合、ここらへんで引き返すのが賢明である

中国道高架下

ここまで来るともう普通の道になっている。
しばらく道なりに走るとR182と合流する。

いや、マイッタ。こんな道往復なんてするもんじゃないな。
京都r653の時は『緑に染まった』で済んだが、ここではキズだらけになってしまった。

それにしても『県道』の肩書きがはずれると、ここまで放置されてしまうとは驚きである。
まあこの道路が通り抜けできなくなっても地域には影響がないと思うが。
予算的なものもあるだろうし・・・

全ての者の往来を拒む新見市道『G378』。
今この瞬間にも植物は確実に根を伸ばしているに違いあるまい・・・


inserted by FC2 system